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わきが・多汗症の原因となる汗腺類は思春期の頃に急速に活動を始 めますが、一度取り除いてしまえば再生することはありません。です から外科的な手法を用いてこれらの汗腺類を取り除いてしまえば、わきが・多汗症は解消できるということになります。
こうした考え方にもとづき、これまでにさまざまな手術法が考案さ れてきました。まずはこれらの手術法について、ご説明しましょう。
【切除法】
ワキ毛の生えている部分の皮膚を、皮下脂肪と一緒に、大きく切り 取ってしまう方法です。
この方法は非常に大がかりであり、術後の傷口が大きく残ってしま います。にもかかわらず、ワキ毛の生えている部分の皮膚をすべて取 り去ることは困難なため、治療効果は決して高いとはいえません。
2週間以上の安静が必要ですし、ワキの下が突っ張る、腕がむくむ、 腕の運動障害が残るなど、後遺症の危険も高いのです。 切除法はもっとも古典的な方法ですが、現在ではこのような治療を行っているところはありません。
【せん除法】
ワキの下に4センチほどの切開を2~3本入れて皮膚を裏返し、ア ポクリン汗腺を肉眼で見ながら、はさみで少しずつ切り取る方法です。
けれども、皮膚を均一の厚さに切り取るのは難しく、切りすぎると 皮膚に穴が開いてしまったり、手術後に皮膚が壊死(死んでしまう) してしまうこともあります。逆に切り取りが不十分だと、わきがのニ オイや汗が完全に取りきれないこともあります。熟練の技術が求めら れますし、手術時間も当然長くかかります。しかもかなりの出血を伴 いますので、ある程度の覚悟は必要でしょう。
切開線はワキの皮膚のシワに合わせ、ジグザグに入れるなどの工夫 もなされますが、やはり傷跡の不安は避けては通れません。またワキ の下の中央部は手術を行いやすいのですが、まわりの部分の皮膚は裏 返しても手が届きにくいため、結果としてドーナツ状にワキ毛や汗腺 が残りやすいという欠点もあります。
【掻爬法(そうは法)】
ワキの下の皮膚を2~3センチほど切開し、そこから特殊なスプー ンのような形の器具を挿入してアポクリン汗腺を掻き取る方法です。こ の方法ですと皮膚のひきつれなどの心配はありませんし、傷跡もほと んど残らないというメリットがあります。
ですが、この方法では「目で見ながら施術する」ということができ ず、手探りでアポクリン汗腺を掻き出さなければなりません。汗腺類 がしっかり取れたかどうかを確認することができませんし、皮膚内の 組織を傷つけてしまう危険もあります。こうした危険と治療効果の不 安定さのため、この方法も現在ではほとんど行われていません。
【吸引法】
ワキの下に小さな穴を開け、その穴から細い管を皮膚の中に挿入し、 汗腺類や毛根を破壊しながら吸い出す方法です。大きな傷跡が残らな いというメリットがあり、現在では主流の治療法です。
ただし掻爬法と同じく、これも手探りでの手術になりますから、医 師の技量によって結果が大きく左右されます。不慣れな医師が行うと 汗腺類が充分に取りきれないぱかりか、神経や血管といった大切な組 織を傷つけてしまう危険もあります。
また汗腺類の取り残しを確認できませんので、どんなにうまく施術 しても全体の80%ほどしか汗腺類が取り除けないケースが多いのです。
これでは充分な効果を上げられません。しかし、現在でもほとんど のクリニックではここまでの治療しかしていないようです。
【ボトックス注入法】
皮膚のあまり深くない部分に「ボトックス」という薬剤を注射する と神経に作用し、汗腺の働きを弱めることができます。つまり手術を することなく、注射だけで汗の量を減らすことができるのです。
ワキだけでなく、手のひらや足の裏などにも有効ですから、「手のひ ら多汗症」の治療には非常に効果的です。アレルギーや副作用の心配 もありませんし、施術したその日から入浴も運動も0K。日常生活には まったく支障をきたしません。
ただし、この治療法は根治療法ではありません。そのため薬の効果 が薄れてくると、再び多汗症の症状が表れてきます。その有効期間に は個人差はありますが、施術から約半年。その時点で再び多汗症が気 になってきたら、あらためて施術を受けていただくことになります。
わきがと違い、手のひらや足の裏の多汗症については、気軽に受け られる治療法があまりありません。それだけに「ボトックス注入法」 は、これらの症状に悩む方々に好評を博しています。
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